バリ島観光で外せないものの一つ、伝統舞踊鑑賞。
ガムランの音楽にのせて、華やかで煌びやかな衣装を纏ったダンサーの目や指先の独特な動き、優雅で美しい動きは、観る人を惹きつけます。バリ島の舞踊はもともとバリ・ヒンドゥーの儀式や祭礼の時に踊られている神聖な舞踊で、これは現在に至るまでバリ島各地で変わらず行われています。
この宗教的な舞踊とは別に、1930年頃から娯楽用に舞台芸術として創作され現代に発展してきたものが、現在わたしたち外国人や観光客が定期公演などで鑑賞している舞踊です。バリ島には舞踊楽団が多数あり、演目や特色も異なりますので、何度見ても楽しめるものとなっています。
今回は、バリ島で観るべき伝統舞踊5選をご紹介します。
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ケチャックダンス
初めて伝統舞踊を観る方におすすめ!
バリ島に来たら絶対観ていただきたい舞踊です。ケチャックダンス(ケチャダンスとも言われます)は、元々は儀式の際に踊られる舞踊でしたが、1930年代にドイツ人画家で現代バリ芸術の父として知られるウォルター・シュピースによって観光用のエンターテインメントとして創られ発展したのが、現代のケチャックダンスです。
上半身裸の男性50~100人程が輪を描き、チャッチャッチャッと独特の掛け声を発しながら演じられるラーマヤナ物語を基にしたストーリーで、バリ舞踊の中では珍しくガムランなどの楽器を用いないのが特徴。
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ヴィシュヌ神の生まれ変わりのラーマとシータ姫、魔王ラワナ、そしてハヌマンなどが登場し、クライマックスには炎を使った迫力のあるパフォーマンスが繰り広げられます。
最も人気のケチャックダンスは、ロケーションが魅力のウルワツ寺院。18時から1時間のパフォーマンスで、ちょうどサンセットをバックに行われます。また、観光客向けにアレンジされているので、観客を巻き込んだコミカルな場面もあり、バリ舞踊を初めて観る人にも見やすく楽しめる内容となっています。その他に、ウブド市内やバトゥブラン村で毎日公演が行われており、ホテル内でもショーとして行われているところもあります。
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ケチャックダンス(Kecak Dance)
レゴンダンス
煌びやかな女性ダンサーの繊細で美しい動きは必見です
バリ舞踊の代表格、女性舞踊として優美で華麗な舞踊として人気なのがレゴンダンスです。レゴンダンスは宮廷舞踊として始まり発展してきました。レゴンダンスには、レゴン・ラッサムやレゴン・ジョボッ、レゴン・クンティールなどたくさんの種類がありますが、一般的に多く上演されるのはレゴンクラトンです。舞踊団の花形はチョンドンと呼ばれ、才能ある若い女性のダンサーが務めるのが一般的で、その舞はとても美しく、目を奪われます。
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レゴンダンスは、ホテルのディナーショー等でも簡単に観ることができますが、本格的なレゴンダンスを楽しみたい方はウブド地区の公演がおすすめ。特に、バリ島最高峰とも言われる「ティルタサリ楽団」の公演が、毎週金曜日の夜プリアタン村にて開催されています。また、ウブドまで行く時間が無いという方は、クタのクマンギレストランにて毎晩30分のダイジェスト版での公演が行われており、食事とともに楽しむことができます。空港から20分程の場所にありますので、バリ島到着日や最終日の利用もおすすめです。
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レゴンダンス(Legong Dance)
バロンダンス
ストーリーがわかりやすく、初めてバリ舞踊を鑑賞する方にもおすすめ!
獅子舞のような風貌のバロンは森に住む聖獣。バロンダンスは、現在でもバリ島各地で神聖な儀式として行われていて、通常各村では村を守るご神体として寺院に祀られていることが殆どです。バロンダンスは、古来よりの土着文化とヒンズー教の信仰・思想とが融合した伝統的な舞踊で、「善と悪」、「生と死」、「聖と邪」など、相対する2つの世界が存在しているからこの世は成り立っているというバリ人の宗教的理念から、悪の象徴・魔女ランダとの果てしなき戦いを描いた舞踊です。
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観光用に公演されているバロンダンスは、カラフルな衣装やコミカルなお面や演技で観る人を魅了します。バロンダンスは、ウブドへ向かう途中のバトゥブラン村などで毎日複数の舞踊団が午前中に公演しているので、ウブド方面への観光と合わせて鑑賞するのがおすすめです。その他に、ウブド地区でもウブド王宮などでいくつかの楽団の公演が毎晩日替わりで行われています。
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バロンダンス(Barong Dance)
トペンダンス
迫力ある仮面をつけた男性が演じる表現力が際立つダンス
トペン(Topeng)とは仮面という意味で、トペンを付けた男性が演じるバトゥアン村発祥の踊りです。仮面には大きく分けて2つの種類があり、顔全体を覆うものと口元が開いたものがあります。舞踊の種類は複数あり、仮面をつけたダンサーが老人を演じる「トペン・トゥア」や、複数のダンサーで踊るユニークな「トペン・パンチャ」など、その物語や演じるキャラクターに応じて仮面を使い分けて踊ります。
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ストーリーは、バリ王朝の歴史を描いた古典的な物語が主題となっています。踊り手の熟練した芸術性の高い表現力にはきっと驚かされる事でしょう。観光客向けのトベンダンスは、主にウブド地区で公演が行われています。ウブドのアルマ美術館では、バトゥアン村出身のバリ舞踊の巨匠マデ・ジマット氏による公演を観ることもできます。
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トペンダンス(Topeng Dance)
ワヤン・クリッ
一人の演者が複数の人形を操る神業は必見です
ワヤン・クリッはインドネシアのジャワ島やバリ島の伝統芸能の一つで、人形を使った伝統的な影絵芝居です。ワヤン(Wayang)は影、クリッ(Kulit)は皮 を意味します。芝居に使われる人形は、水牛の皮を使い細かい作業で丁寧に作られている操り人形で、透かし穴が開けられていて体の輪郭も表現できるようになっています。また、人形は色とりどりに綺麗に着色されています。
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ワヤン・クリッの物語はインドの古代叙事詩「マハーバーラタ」や「ラーマヤナ」が演じられ、ダランと呼ばれる演者は一人でたくさんの人形を操りながら各登場人物を声色を変えて演じ分けて物語を進めていくのが特徴で、時には効果音を鳴らす演出も行うという、正に神業とも呼べる伝統芸を垣間見ることが出来ます。
芝居の会話はサンスクリット語で行われますが、観光客用の公演では英語や日本語の物語の説明が用意されています。また、時にはアドリブやコミカルな演出もあり、笑いが起こることも。観光客でも楽しめる内容となっています。ワヤン・クリッはウブドの定期公演で観ることができます。
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ワヤン・クリッ(Wayang Kulit)